映画「九月の恋と出会うまで」あらすじ

大家の老人が独特な考えの持ち主で、芸術家ばかりを入居させているマンションに引っ越してきた志織(川口春奈)。志織は、普通のOLだが、写真撮影が趣味なので入居を許された。他の入居者は、音楽家や、女優の他、何をしているか大家以外わからない、不愛想でちょっと挙動不審な男 平野(高橋一生)もいた。
新しい部屋に慣れてきた頃、志織は、部屋のエアコンの穴から不思議な声に話しかけられる。その声は一年後の平野だと名乗る。その声は、志織に、自分を尾行して欲しいと告げる。自分には内緒で見つからないように。不思議に思いながらも、未来の人間しか知り得ない事実を告げられ、半信半疑ながら、その声の指示に従う志織。
だんだん、現在の平野自身に対しても疑念を抱き、穴からの声に、この行動の訳を知らせるよう訴える志織。次の尾行を最後に、すべて打ち明けるという声。その最後の尾行が終わって、志織が部屋に戻ると、志織の部屋には空き巣が入っていて、めちゃくちゃになっていた。
それ以来、エアコンの穴からは何も聞こえなくなってしまった。
現在の平野に、事実を告げる志織。未来からの声などと突拍子もないことだが、平野は「信じる」と言う。平野は、小説家の卵で、タイムリープについても詳しかった。
その後の警察からの知らせで、志織の部屋に入った空き巣の犯人は、強盗殺人をして逃げていて、もしその時在宅だったら、志織も危険だったという事実がわかる。
平野は、それを回避するために、エアコンの穴の声の主は知らせたのではないかと推理する。そして、それで歴史が変わったので、タイムパラドックスによって消えてしまうことになるのではないかと告げる。
それを防ぐために、二人は協力して声の主探しをするようになる。そうして、一緒に食事をしたり、卒業した大学を尋ねたり。二人の距離は近づいていった。
その後、大家の孫が引っ越してくる。なんとその孫が志織の元彼、二人が探していた人物だった。
何も行動しなくても、運命は繋がっているのだ。自分はもう必要ない。
平野は身を引く決意をした。
それから一年後。それぞれの未来は・・・・。

映画「九月の恋と出会うまで」感想

「書店員が選んだ、もう一度読みたい恋愛小説第1位」の小説の映画化。
小説も読んでから鑑賞。小説も面白かったが、映画も面白かった。小説にはない設定があったり、削られている設定があったが、世界観は変わらず、楽しめた。
何より映像がとても美しく、映画化されたことによって、自分の中での小説のイメージが更に美しく変化したと思う。マンションの外観がとてもいい。志織の部屋は若い女性らしく、かわいらしい雑貨が沢山あったり、趣味の写真も素敵に飾られていたりした。平野の部屋も、小説家の卵らしく本がいっぱいで、雰囲気が良かった。
二人が出かける大学でのシャボン玉のシーン、海のシーン、夕焼けのシーンなどもとても良かった。
映画館の大画面で見る醍醐味だと思う。
高橋一生、川口春奈、二人ともせつない表情をみせる演技がとてもうまく、胸をうった。特に、高橋一生の自虐的な雰囲気を出す演技が素晴らしかった。
川口の同僚の川栄李奈のさりげない演技もよく、彼女の存在も、ストーリーに花を添えていた。
ただ、マンションの他の住民が、個性的で良い役者さんにも関わらず、あまり出番がなかったのは残念。
もう少し長い時間の映画でも良かったのではないだろうか。