映画「ベイビー・ドライバー」あらすじ

主人公の青年、通称「ベイビー」は、その名の通り甘いマスクを持った若者ですが、車のドライビングテクニックに関しては誰にも負けない凄腕でした。その腕を買われ、ベイビーは銀行強盗などの犯人を乗せて警察の追跡から逃がす、「逃がし屋」を請け負っていました。以前車泥棒をしていた時に、ベイビーは裏社会のマフィアを仕切る男・ドクの車を盗んでしまい、ドクは車の代わりにベイビーに借金を背負わせます。ベイビーは借金を返す代わりにこれまでずっとドクの指示を受け、逃がし屋を続けていたのでした。次回の仕事で、ようやくその借金を全て返済し終わることになるのです。最後の仕事の打ち合わせに現れたギャングたちは、打ち合わせ中にもイヤホンで音楽を聴いている若いベイビーを、信用出来るのかと疑います。しかしベイビーは見事な腕前を見せ、最後の仕事を無事に終えます。解放されたベイビーは、心惹かれていた馴染みのダイナーで働くデボラをデートに誘います。しかしドクは、借金こそ無くなりましたが、代わりとなる者がいないほどの、凄腕のベイビーを手放す気はありませんでした。ベイビーとデボラの前に現れたドクは、次で本当に最後にすると、ベイビーを仕事に誘います。ベイビーはデボラを始め、周囲の人々に迷惑をかけないよう、ドクの指示に従います。武器を入手する際に銃撃戦になるなど、今回の仕事は何か血なまぐさい暗雲が立ち込めていました。そして、「仕事」の当日がやって来ます。ベイビーは押し入った郵便局の警備員を容赦なく殺すギャングを見て、一計を案じ、強盗メンバーの乗った車を追突させます。ベイビーはギャングやマフィアたちと手を切り自分の手で自由を勝ち取るため、デボラの元へ逃走を開始しました。 

映画「ベイビー・ドライバー」感想

「ショーン・オブ・ザ・デッド」や「ホット・ファズ」などのエドガー・ライトが監督した、抜群のセンスが全編に溢れる犯罪劇です。冒頭のカーチェイスシーンから、車の動きとバックに流れる音楽が見事にシンクロしており、それが「音楽を聴きながら逃がし屋として車を運転する」主人公の心境を、観客が共有する手段にもなっているのです。これまでの作品で見せたような過激な残酷描写は、やはりあることはあるのですがエドガー・ライト監督作としてみるとかなり「抑え目」になっています。見事なカーチェイスシーンと共に、主人公がダイナーで見初めた彼女との恋を育んでいくという、エドガー・ライトにとって初の本格的ラブ・ストーリーにもなっていると言えるでしょう。とにかく、現場で実際に音楽を流しながら撮影したという、これまで見たこともなかったような映像と音楽の華麗なシンクロに、心震わされること間違いない快作です。クライマックスでは、「ショーン・オブ・ザ・デッド」の頃からのファンにはたまらない、クイーンの楽曲を見事なシンクロ効果で使用しているのも注目です。